タロット講座を20年ほど開講してきました。
人数はその時々で違いますが、熱心に行いプロになられたり、趣味で続けられたりそれはさまざまなです。どのような方も同じようにタロットと付き合い始めの頃はわからないことも多いと思います。
講座の中で、数枚のスプレッドを読みこなして、いきなり10枚以上のカードを出して、その枚数から意味やテーマを読むこと、まとめるのは難しいという声も聞かれました。
タロットを読みこなし、多数のカードの意味をつなげて読み解いていくのは難しいかもしれませんね。それは頭の中で組み立てて思考する行為でもあるので、一枚意味を読み解き、他のカードと意味が、話が繋がらないと感じられます。
枚数が増えれば増えるほどたくさんの情報とその背後にある出来事や過去のことなども見えてきてその方、ご自分ならご自分のことを自分が知っている自分でない情報(未来かもしれない)を理解すること、発見していく作業をせねばなりません。
たくさんカードを出した場合は、何時間かけても考えることも大事かと思います。
早く読み解いて知りたいというのが、本当のところですが、繋げるようになれるまでは人それぞれ時間がかかるかもしれません。もちろん数日かかる場合もあります。
自分が思ってもないようなことが起こるのでしたら、今の自分にその想像ができないのならできないかもしれません。
もっともなことだと思います。自分の想像する範囲で読むと読めないことになります。
その時に読めなければ、メモしておいて、移動中の電車の中、ふとした時間などに思いを巡らせる。
すると精神も鍛えられて、タロットの世界ともつながっていけるようになります。
ある時に「ふと、あの時のタロットが伝えていたことはこれか!!」という時が訪れます。
タロットカードの講座では直観で読みなさいということをお伝えする講座も多いようです。
私は直観も大事だとおもうのですが、やはり意味を覚えることもとても大事に思います。
タロットカードは思い込みや不安定な直観を正確にしていく道具でもあるようなのです。
勘がいいわかるから精度の良い直観へ。
そして知識と直観が洞察という力、洞察力をつけてくれます。
もちろん直観という意味をこえたダイレクトにやってくる情報のすばらしさはもちろん理解しています。私自身もサイキックリーディングが主体でセッションをしています。
しかし、自分の経験をこえていくために、意味を覚えることで知ることもたくさんあります。
タロットカードの世界に入っていく、タロットが伝えようとしている自分自身が知らない経験、価値を深めるエチケットってあるんやないの?なんて思うのですね。
学ぶって自分を超えることだと思います。だからしんどいし、未知ゆえに楽しいけれど、不安でもあります。無能感を感じる方もいらっしゃると思います。
タロットが占いの道具としたら、そこには道が具わっているということ。まずはタロットさんの世界観に慣れていくこと。それに意味を覚えると色々な深みをしる。
タロットは世界の世知辛い側面や美しい側面などみています。
いや、私の第三の目は見ている。たましい、心、身体、私全体はみている。
タロットはその見るということをごまかさないのですよね。
そのカードを介して私は知っていること、世界は私に語り掛けているのかというような不思議な瞬間です。
それにタロットの意味を覚えようとすることは、様々な価値観や概念を学ぶことにもなって自分がより広がっていきます。
しょんぼりすることもありますが、それはよい良いことに繋がっている。
意味を覚えるのは、タロットから学ぶ、人類の叡智につながること。
私自身も学んだ時に知った意味を書いたノートを見ながらカードを読んでいました。
自分の掴んだ情報をより言葉にする力が欲しかったからです。
タロットカードは小説を読むことに等しいようにも思います。
世界を記す本とも呼ばれるタロットカード。
タロットをするようになって、あまり小説を読まなくなった私でした。
ただ、ただカードを並べて、それを読み解く。
世界はなにを語り掛けてくれているのでしょうか?タロットカードと語り合うことで、
あなたと世界が語りあう時間があふれてきますよ。
ご自分でタロットを学んでなかなか進まないという方も、あきらめずに続けてくださいね。
ある時、理解はすすみます。諦めないこと、あきらめることは明らかにすることですが、
この場合は明らかにしないで続ける強さです。
学ぶとはネガティブケイパビリティでもあるかもしれません。
ネガティブケイパビリティとは答えの出ない状態を耐える力でもあります。
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